水曜日, 1月 31, 2007

読み聞かせの効果

日本学術会議会長から「テレビ番組等における『科学的』実験についての会長談話」が発表されましたね。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-d4.pdf
悪意はないものの適切な実験を行わないことにより誤った結論を導かないようにという注意喚起と,言うまでもなく最近のテレビ番組のデータ捏造に対する批判です。

前者は科学者というものはどれだけ気をつけても自身の推論が正しいことを導きたいことが無意識的にも働いてしまいますから,細心の注意を払ってもとんでもない間違いをしてしまうことがある確率で起こりえます。それは他者の追試で否定されてゆきます。不幸にしてそのような間違いをしてしまった場合は学術論文ならエラッタを出して訂正します。残念ですが,それが学者として正しい姿です。自身の理論に固執したり,うやむやにするのとは比較できない立派な姿と言うべきでしょう。

非常に問題なのは後者ですね。利益のためなら人をだましても,というのは私の理解を超えています。いつからこんな情けない人達が増えたのでしょう。昔もいて,目立たなかっただけかも知れませんけれども。

教育再生会議第一次報告の中に「社会人として最低限必要な決まりをきちんと教える」という項目がありますけれども,子どもではなく,その親,大人にも教える必要を感じます。アンデルセンは多くの寓話を子ども向けにではなく,実はそれを読み聞かせる親を意図して作ったとか。正月にフィンランド・デンマークの小学校を訪問しましたけれども,デンマークの人達は本当に自国の作家:アンデルセンが好きで良く読むそうです。

日本でも学校で朝10分ほどの読書の時間が成果をあげています。小学校低学年の場合は宿題として毎日日本の童話(外国のでもいいですが)を保護者に読み聞かせてもらう(どうしても無理なら児童自身でも良いとする)という形にすると身勝手だった大人も次第に変わるのではと思います。