9月4~8日の間,学生らと共に中国内モンゴル自治区にある内モンゴル師範大学のお世話になりながらモンゴル民族の小中学校を訪問,授業を見せていただきました。
昨年度から三重大学の近隣の小学校に科学ものづくりの出前授業を大学生らと共に実施しています。また内モンゴル自治区からの留学生が研究室にいます。ということで,では内モンゴル自治区の小中学校におけるものづくり教育の状況を今回調査し,来年3月に日本の科学ものづくりの国際出前授業を学生らと共にやってみようという企画です。学生の企画として大学に認められました。
ところが,です。日本の授業よりすばらしい授業が進められているのです。中国の教員免許は2種類,高校までと大学です。日本は幼,小,中校は教科別,そして大学は免許不要です。中国の免許制度は日本と比べてシンプルですが,実際は何と幼稚園から教科(群)別に異なる教師が指導を行っています。大学の理科の先生と小学3年の理科他の授業を参観しました。その感想は「こんなすばらしい授業は日本の小学校で見たことがない」でした。日本の小学校では基本的にすべての授業を一人の教師が行いますが,そうしますと十分な教材研究ができません。新しい理科の実験をしようとしますと授業を行う前に予備実験を行う必要がありますが,簡単な実験でもあれこれ詰めようと思いますとすぐ2,3日かかってしまいます。多くの教科を抱えている場合,そんな悠長な準備はしていられません。他の教科もありますから。日本でどの教科でもすばらしい授業をされる小学校の教師がいらっしゃいますが,落ち着いて考えますとスーパー(ウー)マンでないとできそうにないですよね。
日本はもう少し根深いところに問題があるように思われます。
教育学部,特に,小学校教員養成課程というと分類上,文系と思う人が多いのではないでしょうか。高校生がそう思い,語弊があるかも知れませんが理系音痴が進学してきてそのまま小学校教員になる,その例が増えているようです。小学校といえども理系がわかる教師とそうでない教師に教わるのとでは大きな違いが出ます。高学年でなくてもです。データが古く,統計数も少ないですが,小学校中学年において2年続けて理科が苦手な教師が担任の場合理科嫌いになる子どもの比率が増えるというデータがあります。小学校中学年の理科ぐらい大卒であれば教科書に書かれていることは教えることは可能でしょうが,(理系が苦手であるという)その雰囲気が子どもに伝わってしまう,どうもそういうことのようなのです。工学部への進学率が減っていますが,工学部から高校に行って訴えても高校ではもう遅いそうで,もっと若年の段階で方向付けがされてしまっているようです。
日本の小学校教員は理系も文系も,そして当然子どもが大好きで,子どもたちの心を良く理解しリードしてゆけるオールマイティである必要があります。まじめに考えれば考えるほど大変難しい職であることがわかります。