土曜日, 4月 07, 2007

年度末に出張でした

私の所に来ている留学生の関係で内モンゴル師範大学と交流があります。年度末に同大学、それから同大学の所在する内モンゴル自治区フフホト市内のモンゴル小中学校で工夫のあるものづくり教育実践授業を学生らと実施しました。

小学校、中学校における授業はまずまず以上の成功だったと思います。型どおりの授業が進行している当地において「今実施されている授業は例えば電気回路のキットで配線を言われたとおりに配線すれば必ず成功するもの。今回実施していただいたクリップモータ(あるいはスリーモータロボット)は説明されたとおりに作ってもうまくゆくとは限らない、考えて改良しないといけない。こういう授業の形態は今の小中学校にはなくて、授業/実験のあり方に対する先生方の考え方を根本的に変えないといけない。」と言ったコメントをもらいました。御意、ということころです。

内モンゴル師範大学でもワークショップ形式の講義を行いインパクトを与えることができました。

気分良く、帰国の途につこうとしたところで、フフホト空港が黄砂の嵐で閉鎖、接続便の関係で一日遅れの帰国となります。それがなかなか問題で3/31帰国のはずが4/1の帰国となりました。大学としての出張なのですが通常年度をまたいでの出張は認められません。今回は結果的にやむを得ず次年度にまたがることになってしまったのですが、文科省の回答は
「黄砂という自然現象でも年度を超えての執行は認められないので、事業完了報告については、帰国時の航空賃を除き、とりあえず報告するようにとのことだった。完了報告後、省内で検討し、事業そのものが認められない可能性もあるとのことだった。」
のだそうです。

予期はしていましたけれども、こんなばかばかしいことがまじめに進んでいることにあらためて日本の限界を感じます。科学研究費で次年度も認められている場合でも年度毎に予算を使い切る必要があり、年度をまたいでの出張は認められません。大学教員は春はあちこち出かけて研究なり、発表なりをしたいのです。また、今回はそうした問題を避け、年度末に帰国する予定であって、それがやむを得ない理由で一日延びてもそれはダメだと言うのです。

公的資金の不正利用が新聞を賑わしています。それはきっちり正していただく必要があると思います。一方有能な方が文科省や財務省にはたくさんいらっしゃると思いますが、こんな理不尽なことが直せないのはいかがなものかと思いますね。

1 Comments:

At 12:15 午後, Blogger 松岡 守 said...

その際に同行した私も内モンゴル師範大学の物理・電気研究室の学生向けに協同によるものづくりのワークショップ(のようなもの)を行いました。その模様を同大学のウェブページに載せたと連絡をもらいました。
内モンゴル師範大学内の紹介ページへ

中国語が分からなくてもある程度書いてあることは推測できますね。ウェブページ翻訳(最近のインターネットエクスプローラの機能を使うかウェブで「ウェブページ翻訳」で検索してみて下さい)を使うと日本語らしいものになりますが,?ですね。

 

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